近視

近視について

近視は、近くはよく見えるが、遠くのものはピントが合わずにぼやけて見えにくい状態です。角膜や水晶体を通る光が、網膜よりも手前でピントが結ばれてしまい、焦点が合わなくなります。近視の原因は、遺伝的要因と環境要因の両方が関係しています。

近視の要因

両親ともに近視ではないお子さんと比較し、片親もしくは両親が近視である場合は、お子さんが近視になりやすい傾向にあるといわれています。近視の遺伝に関与する、決定的な遺伝子は明らかになっていませんが、近視の中でも強度近視については、いくつかの感受性遺伝子(強度近視になりやすい遺伝子)が報告されています。

近視の種類

単純近視

視機能障害がなく、眼鏡やコンタクトレンズなどで矯正可能な近視です。単純近視は身長や体重のような個人差と似ています。在学中に発生するケースが多く、学童近視や学校近視といわれています。

病的近視

近視のうち軸性近視では眼軸(眼球の奥行き)が長くなりますが、眼軸が長くなることで(多くは強度近視)黄斑部網膜や視神経が障害され、眼鏡で視力を矯正しようとしても、十分な視力を発揮できない状態を病的近視といいます。
病的近視では成人期以降でも眼軸延長がみられ、合併症として黄斑円孔や網膜剥離などのリスクが高まり、最悪の場合は失明する可能性もあります。病的近視は視覚障害1級(失明)として、日本国内で4番目に多い原因疾患です。

近視と緑内障

日本人で中等度以上の近視の方はそうでない方に比べ、緑内障の罹病リスクが2.6倍、強度近視では3.3倍高いとされています。日本人の強度近視の割合は5.7~8.2%と、白人のそれの1%と比べ非常に高率であり、日本人における正常眼圧緑内障の高い有病率は、近視の高い有病率とも関連している可能性があるとされています。
緑内障は眼圧負荷や血行不良により視神経乳頭で神経線維が障害されて起こると考えられていますが、強度近視では眼軸が長くなることにより視神経乳頭で神経線維が機械的に障害される(病的近視での近視性視神経症)とも考えられています。両者はしばしば合併し、どちらがどの程度の割合なのかは鑑別が困難です。

子どもの明るい未来のために

子どもは色々なものをはっきりと見ることで、多くの事を学習し、成長していきます。正常な視機能は子どもの将来に大きな影響を与えます。目を細めて見る、顔を近づけて見るなど、近視かもと思ったらお気軽にご相談ください。

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